カラビ・ヤウ多様体は、代数幾何などの数学の諸分野や数理物理で注目を浴びている特別なタイプの多様体。特に超弦理論では、時空の余剰次元が6次元(実次元)のカラビ・ヤウ多様体の形をしていると予想されている。この余剰次元の考え方が、ミラー対称性の考えを導くことになった。
カラビ・ヤウ多様体は、1次元の楕円曲線や2次元のK3曲面の高次元版の複素多様体であり、コンパクトケーラー多様体で標準バンドルが自明なものとして定義されることが多い。ただし、他にも類似の(しかし互いに同値ではない)いくつかの定義がある。Candelas et al. (1985)では、"カラビ・ヤウ空間"と呼ばれた。最初は微分幾何学の立場から、エウゲニオ・カラビE. Calabi (1954, 1957)で研究され、シン=トゥン・ヤウが、これらがリッチ平坦[1]な計量を持つであろうというカラビ予想を証明したことから、カラビ・ヤウ多様体と命名された。
エウジェニオ・カラビ(伊: Eugenio Calabi、1923年5月11日 - )は、イタリア王国ミラノ出身の[1]イタリア系アメリカ人数学者。
ペンシルベニア大学の名誉教授であり、研究分野は微分幾何学、偏微分方程式である。
カラビ-ヤウ空間を微分幾何学の立場から研究したためカラビ予想の由来にもなり、中国系アメリカ人数学者のシン=トゥン・ヤウと共にカラビ-ヤウ多様体に名が残っている。
エウジェニオ・カラビ 生誕 1923年5月11日(93歳)
イタリア王国ミラノ国籍 アメリカ合衆国 研究分野 微分幾何学、偏微分方程式 研究機関 ペンシルベニア大学
ミネソタ大学出身校 マサチューセッツ工科大学
プリンストン大学博士課程
指導教員サロモン・ボホナー 主な業績 カラビ予想
カラビ-ヤウ多様体主な受賞歴 パットナムフェロー(1946年)
スティール賞(1991年)
シン=トゥン・ヤウ(Shing-Tung Yau)、中国名丘 成桐(きゅう せいとう, 1949年4月4日 - )は、香港に出身のアメリカ人の数学者。ハーバード大学教授。
Shing-Tung Yau 生誕 1949年4月4日(67歳)
中華民国広東省汕頭市居住 アメリカ合衆国 国籍 香港( - 1990年)
アメリカ合衆国(1990年 - )研究分野 数学 出身校 香港中文大学(学士、1969年)
カリフォルニア大学バークレー校(博士、1971年)博士課程
指導教員陳省身 博士課程
指導学生リチャード・シェーン
Jun Li
曹懐東
田剛
季理真
劉克峰
王慕道
Chiu-Chu Melissa Liu主な受賞歴 ジョン・カーティー賞(1981年)
ヴェブレン賞(1981年)
フィールズ賞(1982年)
クラフォード賞(1994年)
アメリカ国家科学賞(1997年)
ウルフ賞数学部門(2010年)
絡み合う カラビヤウ ヾ(╹◡╹o )ノ
「夜が更け、空が霽れ、蒼褪めはてた経験の貴さと冷たい霊性のなやみを染々と身に嗅ぎわけて、哀傷のけものは今深い闇のそこひからびやうびやうと声を秘そめて鳴き続ける。」
北原白秋の「桐の花」(1913年)