カニ
カニ(蟹)は、十脚目短尾下目(たんびかもく、Brachyura、別名:カニ下目)に属する甲殻類の総称。タラバガニやヤシガニなどは十脚目異尾下目(ヤドカリ下目)に属するが、これらも漁業・流通等の産業上、「カニ」として扱うことがある[1][2]。また分類学において、本分類以外の水産節足動物で「カニ」の名を与えられているものも多い。
人間との関わり
文化
- 癌のことを英語で cancer と言うが、この呼び名は腫瘍とその周辺の血管その他の組織が作り出す形状がカニに似る事からラテン語の「カニ」から引用されて付けられた。潰瘍を意味する canker も同源だが、ギリシャ語の karkinos(カニ)と共に、これらの語はサンスクリット語karkataḥ(カニ)などと同じく、古い印欧語起源の言葉であるとされる。
- 西洋星座の名称はラテン語なので、黄道星座の一つである「かに座」も Cancer である。「かに星雲」も潰れたカニの様に見えるという理由からこの名が付いたが、かに星雲があるのはかに座ではなくおうし座である。
- カニと言えば横歩きが有名なので、横に進むものに「カニ」の名が付けられる場合がある。
- フランシスコ・ザビエルには、インドネシア諸島アンボイナから舟でモルッカ諸島セラム島を目指す途中海に落とした十字架をカニが拾い届けてくれた、舟底に空いた穴をカニが塞いでくれた、カニの背中に十字架が刻まれる様になった、という逸話が有る。これに因み、フランシスコ・ザビエルの日傘や鹿児島カテドラル・ザビエル記念聖堂の鐘には十字架を持ったカニが描かれている[9]。
- 第一脚の鋏が目を引く特徴である。
慣用句
- 蟹の念仏
- 蟹の念仏(かにのねんぶつ) 蟹が口の中でぶつぶつ泡を立てるように、くどくどと呟(つぶや)く様子。
- 蟹は甲羅に似せて穴を掘る
- 蟹は自分の甲羅の大きさに合わせて穴を掘るものだということから、人は自分の力量や身分に応じた言動をするものだということ。また、人はそれ相応の願望を持つものだ。
- 蟹の爪がもがれたよう
- 爪はカニにとって武器であり、餌を採る大切な手だが、それをもがれたという状態から、頼りを失い呆然自失の様をいう。
- うろたえる蟹穴に入らず
- 穴もぐりの名人といわれるカニも、慌てふためくと、自分の穴がどこにあるのかわからなくなる。という意で、冷静に物事に対処しないと、適切な判断や行動が出来ず失敗するという意。
- 蟹の穴入り
- カニが慌てて穴に逃げ込む様子から、慌てふためく状態をいう。
- 蟹の死にばさみ
- カニがいったん物を挟むと、爪がもげても放さないことから、欲深さや執念の深さを例えていう。
- 後這う蟹が餅を拾う
- いつも「鵜の目鷹の目」でせかせかしていなくても、思わぬ幸運に行き当たることもある。という意で、人の運、不運を例える。
- 蟹の横這い
- 単に横に移動するという意味にも使うが、貴人に顔を向けたままで横に移動する様子をその様に言う場合もある。この言葉が諺として使われる時は「人目には奇妙に見えても、自分には適したやり方」と「物事が奇妙に横にずれていくこと」という二通りの意味がある。
- 登山では、断崖絶壁の中腹にあって足を交互に出せないほど細いルートをこのように呼ぶことがある(例:剱岳)
かに座(かにざ、蟹座、Cancer)は、黄道十二星座の1つ。トレミーの48星座の1つでもある。星座のほぼ中央にあるM44(プレセペ星団、プレセペ散開星団)が有名である。
フランシスコ・ザビエル肖像(詳細は下記参照)東洋の使徒 生誕 1506年4月7日
ナバラ王国・ハビエル死没 1552年12月3日
明国・広東省上川島崇敬する教派 カトリック教会、聖公会、ルーテル教会 列福日 1619年10月25日 列福場所 ローマ 列福決定者 パウルス5世 列聖日 1622年3月12日 列聖場所 ローマ 列聖決定者 グレゴリウス15世 記念日 12月3日 象徴 十字架、燃える心臓 守護対象 キリスト教伝道、航海士、上智大学、サン・フランシスコ・ザビエル大学、ほか下記参照