アブラハムの子
「アブラハムの子」 子門真人 の シングル B面 アブラハムの子(カラオケ) リリース ジャンル 童謡 レーベル CBSソニー 作詞・作曲 加藤孝広、外国曲 チャート最高順位 アブラハムの子(アブラハムのこ)とは、アメリカ合衆国の童謡(「Father Abraham」(作詞・作曲:不明)が原曲と考えられる)が元で、日本語の歌詞が付けられ流行した。曲名を「アブラハムの七人の子」とする文献も存在する。
曲は外国曲といわれるが由来は不明、日本語歌詞の作詞者は名古屋YMCAのリクリエーション・リーダーであった加藤孝広とされているが、「訳詞」とする文献も存在する。子門真人が歌った音源(オリジナルはEP盤 CBSソニー 05SH-539、1979年6月21日発売)が存在するが、それ以外の音源も存在する。
子門真人版レコードのジャケットには、1970年代に外国曲として日本に伝わったものに加藤孝広が訳詞をつけ日本YMCAを中心に全国に広まった旨、CBSソニーがレコード化にあたり原作詞者・作曲者を数ヶ月にわたり探したが判明せず、原作家不明のままレコード販売に踏み切った旨が記されている。
概要
日本語の歌詞については、
- アブラハムが登場するが、それは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のいずれか、またはすべてに関係するのか否か?
- 「7人の子」とあるが、この数「7」にはどのような意味があるのか?
- 7人のうち、1人はのっぽで、残りの6人はちびと歌われるが、これにどのような意味があるのか?
などの疑問が呈されており、謎の多い歌詞となっている。一方で、日本人が作ったのであるから、宗教的な意味はまったくなく、このような疑問の方に意味がないとする説もある。
また、この歌は、幼稚園などでお遊戯によく使われることから、有名である。しかし、この歌(お遊戯・踊り)が、いつ頃、どの地域から広まっていったのかについては、十分に解明されていない。
解釈
一般的には、ユダヤ人とアラブ人の伝説上の父祖であるアブラハムと、その息子達のことだと考えられている。
「Father Abraham」(父祖アブラハム)という原題もそれを示している。
アブラハムには、側室ハガルとの間に長男イシュマエル、正妻サラとの間に次男イサク、がいた。
しかし、アブラハムは、サラの勧めにより、イシュマエルとハガルを荒野に追放する。
また、アブラハムは、サラが亡くなった後で、後妻ケトラを迎え、ケトラとの間に、ジムラン、ヨクシャン、メダン、ミディアン、イシュバク、シュアハ、の6人の息子をもうけている。
よって、アブラハムの子は全員で8人であるが、イシュマエルを除けば7人であり、そして、イサクと弟達の年齢は離れているので、1人(イサク)はのっぽで後はちびとなる。
この曲を録音した歌手
- 子門真人
- さとまさのり、コロムビアゆりかご会(コロムビアから発売)
- 水木一郎、コロムビアゆりかご会(コロムビアから発売)
- 金城綾乃(『キロロあやののあそびうた』収録)
- 速水けんたろう(「けんたろうとミクのワイワイキッズ」で使われた。『朝ゴハンパン・ロックンロール』収録)
七つの子
『七つ』という言葉が「7羽」を指すのか「7歳」を指すのかは明らかになっておらず、度々論争の種となっている。カラスは一度に7羽もの雛を育てることはなく、7年も生きたカラスはもはや「子」とは呼べないためである。
この謎を扱った作品として『天才柳沢教授の生活』があるが、その作中でも明確な結論は出されていない。
- 一つの解釈
- 「7歳説」への有力な手がかりとして、野口雨情(作詞者)記念館の館長である雨情の孫娘が主張する、雨情の息子(つまり館長の父親)がこの歌のモデルであり、その息子が7歳のころに作られた歌であるという事実がある。これは身内による主張であるため、説得力があるとする見方が存在する。また、7歳という年齢は野口雨情自身が母親と別れた年齢と合致することから、そこに関連性を見出す説もある。
また、この歌の元歌である「山烏」という詩が、1907年頃に作られており、その中でも「可愛(かわい)七つの、子があれば…」と書かれていることからも野口雨情自身の母への思慕の情や実体験からくる子供への思いが歌のなかで「七つ」という言葉が一つのキーワードとしてあてられているのではないかと思われる。
なお、日本語の「七つ」という言葉はしばしば「多い」の意味で遣われる。
歌碑
雨情の母校である北茨城市立精華小学校には、昭和36年(1961年)に寄贈された歌碑がある。歌碑自体にはひらがなを多く用いた歌詞が刻まれているが、陰に別にある副碑には原詩同様に漢字を用いて刻まれている。また、和歌山県すさみ町の日本童謡の園にも歌碑がある。
録音した歌手
替え歌
1980年初頭にザ・ドリフターズの志村けんがTBSで放送された人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』の中で、「カラス なぜ鳴くの カラスの勝手でしょ〜」という替え歌を歌ったことから子供達を中心に流行となった。しかしPTAからは苦情が多数舞い込んだという。この替え歌は前半コント(中場またはオチがつくところで出ることが多い)・少年少女合唱隊・後半コントのいずれかの場面で登場していた。 なお、この替え歌の歌詞については志村けんの作ではなく、笑福亭鶴光がDJを務めたニッポン放送のラジオ番組『鶴光のオールナイトニッポン・サンデースペシャル』の中の替え歌コーナーがもととなっているとの説がある。志村けんの著書では、自身の作ではなく近所の小学生が歌っていたのを番組で歌ってみたと語られている。
1990年代後半には、英会話教室NOVAのテレビCMで、山崎一演じる「鈴木さん」が、この歌を歌いながら会社を退勤し、ドアを出ると同時に歌詞が英訳に変わる場面が人気を呼んだ。
また、森繁久弥がかつて盲学校を訪問した際、この歌を歌うこととなり、1番はつつがなく歌ったものの、2番を歌っている最中に盲目の生徒に対して「まるい目をした」という歌詞をそのまま歌うのを憚り、その場で機転をきかせて若干の遅れはあったものの「まるい顔した、いい子だよ」と歌ったという。
ドラマ「受験の神様」(日本テレビ)の中にもこの替え歌が登場している。
その他
北島三郎の曲「帰ろかな」では間奏に本曲を組み込んだバージョンがあり、NHK紅白歌合戦などの歌番組で披露されている。商品化はされていない。
名探偵コナンの黒の組織に登場する「あの方」のメールアドレスは「♯969♯6261」とされており携帯音のプッシュ音が七つの子に似たメロディラインになっている。
魁𩲃𩵄䰢魓𩳐魒ヾ(^◡^o)ノ liiiiii