🔯納谷悟朗さん ✦7856
納谷 悟朗(なや ごろう[2]、1929年11月17日[3] - 2013年3月5日[4])は、日本の俳優、声優、ナレーター、舞台演出家。テアトル・エコー所属。
北海道函館市出身。立命館大学法学部中退。弟は俳優・声優の納谷六朗、妻は女優・声優の火野カチ子。代表作に『ルパン三世』シリーズ(銭形警部役)がある。洋画ではクラーク・ゲーブル、チャールトン・ヘストン、ジョン・ウェインの声の吹き替えを担当[5]。
🔯納谷六朗さん ✦7866
納谷 六朗(なや ろくろう[2]、1932年[3]10月20日 - 2014年11月17日[4])は、日本の声優、俳優、ナレーター、演出家。
東京府東京市(現東京都)出身。最終所属はマウスプロモーション。東京都立西高等学校、立命館大学法学部卒業。
兄は同じく俳優・声優の納谷悟朗、火野カチ子は義姉。妻は元マウスプロモーション代表取締役社長の納谷光枝、長男は現マウスプロモーション代表取締役社長の納谷僚介。
人物
年齢不詳のちょっと神経質な声が特徴[6]。男性の話す京都弁に堪能。
趣味は読書。
生涯
7人兄弟の六男。「納谷兄弟で名前に数字が付くのは、五男の悟朗と六男の六朗だけ」と本人は語っている。
大学卒業後、出版関係の仕事をしていた別の兄を手伝い[7]、悟朗の所属していた劇団稲の会の手伝いから芝居を始める。なお、悟朗は「自分が六を引きずり込んだ」と述べたこともある。
劇団現代劇場「河の会」を経て[8]、1974年江崎プロダクション(現・マウスプロモーション)へ所属。筒井康隆大一座などの結成にも参加している。晩年も『クレヨンしんちゃん』をはじめ、声優活動を続けていた。また舞台の傍ら、マウスプロの後進の育成にも励んでいた。マウスプロ自主公演では、主役を張ることもあった。
納谷の所属事務所によれば、2014年10月22日に自宅で体調不良を訴えて東京都大田区内の病院に入院、検査の結果、肺炎と脳梗塞を発症していた為、治療を受けていた[9]。しかし同年11月17日午前10時28分、肺炎のため東京都大田区の病院で死去[4][9][11]。満82歳没(享年83)。
兄とのかかわり・共演
六朗が業界に入るきっかけとなった芝居は、悟朗の記憶では『坊つちやん』であり、六朗は主役だったという。だが、その芝居はほとんど赤シャツにスポットを当てて改変されており、六朗は舞台中央に立っていればよいという形で出演していた。なお、新聞では「赤シャツ物語とタイトルを変えた方が良い」と皮肉られていたという。
六朗が所属していた劇団で電話番をしていると、悟朗から「おい、六か」と突然電話がかかってきて「え、何、何?」と返すとしばらくして「似てねえってよ」と返された。当時、悟朗が1959年に日本テレビで放映されていた『ウィリアム・テル』でテル役の吹き替えをやっており、テルの偽物の登場する回でいっそ悟朗と似た声のやつにやらせてみようということで、六朗の声を確かめようと電話をかけてきたとのこと。このことがきっかけで、端役で呼んでもらうようになったことがアテレコデビューとなり、デビュー作からいきなりの兄弟共演だったという[8]。
悟朗が銭形警部役を務めていた『ルパン三世』シリーズにも複数出演しており、銭形警部が変装した役を演じたことがある。また、『ルパン三世 sweet lost night 〜魔法のランプは悪夢の予感〜』ではジョーダン役で悟朗と競演した他、『超電磁ロボ コン・バトラーV』14話では、悟朗の演じた南原博士の胸像のメッセージボイスも演じている。映画『人生狂騒曲』では体調不良で収録に参加できなかった悟朗の代役として、彼の持ち役であったジョン・クリーズの吹き替えを務めた。
映画『アマデウス』のスペシャルコレクション盤レーザーディスクの特典である監督と脚本家によるオーディオ・コメンタリーで、監督ミロシュ・フォアマンの吹替えを担当し、対する脚本家ピーター・シェーファーを兄である悟朗が吹替え、兄弟共演となった(DVDには未収録)。対話シーンは無いがテアトル・エコー所属俳優が多数参加した1985年の映画『オズ』の劇場公開、ポニー版・バンダイ版の日本語吹き替えも兄弟揃った出演作である。
出演作品とのかかわり
『聖闘士星矢』
『聖闘士星矢』では、当時すでに50代半ばに達していたにもかかわらず、美形の青年である水瓶座のカミュ役に抜擢された。
このことは役者仲間にからかわれたが、カミュは根強いファンを持つ人気キャラクターとなり、若い層にも六朗ファンを増やす結果となった。当人もこのキャラクターを気に入り、「これまで演じた代表キャラクターの五指に入る」と述べ、『メモリアルCDBOX』におけるインタビューでは、カミュに対する想いを語ると共に「また演じたい」とも述べていた。
『星矢』への六朗の出演は非常に注目され、古谷徹他、出番の無いレギュラー陣出演者も、こぞって彼の演技を見学するためスタジオに来ていたという。
『仮面ライダー』の代行アフレコ
初代仮面ライダー役の藤岡弘、が撮影中のバイク転倒事故で重傷を負い、撮影済みの映像素材のアフレコが不可能になった時、六朗が代役に呼ばれている。録音演出の太田克己は、ショッカー首領の声を担当している納谷悟朗の実弟とは知らずにキャスティングしたという[12]。
当時は、芝居はできてもアフレコが苦手、という俳優に代わり、声質の似た声優が吹き替えをすることは珍しいことではなかった。六朗自身も後に『仮面ライダーSPIRITS』コミックス第7巻のインタビューで「アクション作品の事故でアフレコの代役というのも珍しくなかった。藤岡さんの芝居は自分に似ていたので、癖がつかみ易くスマートにアテられた」と語っている。また、仮面劇の吹き替えにおいても特に問題はなかったという[8]。
なお、劇中では納谷悟朗演じるショッカー首領と納谷六朗のライダーが対決する兄弟共演のシーンもあったが、本人は「記憶にない」と語っている[8]。
『仮面ライダー』は、テアトル・エコーが仕切っていた作品だったが、テアトル所属ではない六朗が出演することになったのは、所属していた事務所がテアトルと仲が良かったからと語っている[8]。
その他の作品
OVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』ではサブキャラクターの一人である鎮三山・黄信を演じたが、六朗が配役になったため、主人公・大作を叱咤する大きな見せ場が新たに作られた。
『星獣戦隊ギンガマン』では、巨大パペットキャラクター・モークを演じた。この際、特撮作品特有の実写映像に合わせてのアフレコに苦労する若手俳優のレコーディングのアシストに大々的に協力した。
『ジュラシック・パーク』シリーズの吹替え版には3作目までに出演した。スピルバーグが監督の2作品では、どちらもティラノサウルスに食べられる役となった。『III』でようやく最後まで生き残る役となったが、この際吹き替えた役は『ER緊急救命室』で持ち役にしていたウィリアム・H・メイシーが演じたものだった。
ソニークリエイティブプロダクツ版の『きかんしゃトーマス』出演者では唯一、81プロデュース以外の事務所に所属している人物であった。なおキャスティングを仕切っているのは81プロデュースである。
『キョロちゃん』では、マツゲール博士、ナレーション、シバシバなどの声を勤めていたが、塩沢兼人の死後、塩沢の持ち役である、ニラミ警視役を引き継いだ。
長年レギュラーの高倉園長役で出演していた『クレヨンしんちゃん』では、2015年10月9日放送分で森田順平が2代目として起用されている。園長は六朗の死後、森田が後任に決まるまでの間、2つの話に登場しているが、姿のみの出演で台詞はなかった。『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』では、過去の音源を用いてのライブラリ出演になった[13]。
後任
納谷の没後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。
- 田中完 - 『きかんしゃトーマス』:トップハム・ハット卿、ローハム・ハット卿
- 上田燿司 - 『スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!』:イカルド
- 森田順平 - 『クレヨンしんちゃん』:園長先生〈高倉文太〉、ナレーション
- 千田光男 - 『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』:ドナルド・マラード
- 多田野曜平 - 『バンデットQ』:フィジット ※35周年Blu-ray版追加録音部分
5悟朗と6六朗で11士さむらい....(╹ェ╹;)ヾ🌙