ドッグ・デイズ
ドッグ・デイズ(英語: dog days、ラテン語: diēs caniculārēs)とは、「夏のうち最も暑い時期」「真夏」「盛夏」を表す。北半球においては7月上旬から8月中旬ごろまで、南半球においては1月上旬から2月中旬ごろまでを指す。
この名前の由来は、おおいぬ座のシリウス(Dog Star)が、7月から8月にかけて日の出と共に現れ日の入りと共に沈むことが、この時期が暑くなることと関連づけられたことである。
古代ローマでは、ドッグ・デイズは7月24日から8月24日まで、もしくは、7月23日から8月23日までとされていた。多くのヨーロッパの文化(ドイツ、フランス、イタリアなど)では、今日でもこの期間をドッグ・デイズと呼んでいる。
シリウス
シリウス
Sirius仮符号・別名 おおいぬ座α星 星座 おおいぬ座 視等級(V) -1.46[2]
-1.46 - -1.41(変光)変光星型 疑わしい 位置
元期:J2000.0赤経(RA, α) 06h 45m 08.91728s 赤緯(Dec, δ) -16° 42′ 58.0171″ 赤方偏移 -0.000018 視線速度(Rv) -5.50 km/s 固有運動(μ) 赤経: -546.01 ミリ秒/年
赤緯: -1223.07 ミリ秒/年年周視差(π) 379.21 ± 1.58 ミリ秒 距離 8.60 ± 0.04 光年
(2.64 ± 0.01 パーセク)絶対等級(MV) 1.434 シリウスの位置物理的性質 スペクトル分類 A1V+DA 色指数 (B-V) 0.00 色指数 (U-B) -0.05 色指数 (R-I) -0.03 年齢 2億2500万 - 2億5000万年 別名称 別名称 ■Template (■ノート ■解説) ■Project
シリウスA 視等級(V) -1.09 分類 A型主系列星 位置
元期:J2000.0赤経(RA, α) 06h 45m 08.917s 赤緯(Dec, δ) -16° 42′ 58.02″ 赤方偏移 -0.000018 視線速度(Rv) -5.50 km/s 固有運動(μ) 赤経: -546.0 ミリ秒/年
赤緯: -1223.1 ミリ秒/年絶対等級(MV) 1.42 物理的性質 半径 1.711 R☉ 質量 2.02 M☉ 表面重力 4.33 (log g) 自転速度 16 km/s 自転周期 5.3 日[要出典] スペクトル分類 A1V、A1m 光度 25.4 L☉ 表面温度 9,940 K 金属量[Fe/H] 0.50 別名称 別名称 ■Template (■ノート ■解説) ■Project
シリウスB 仮符号・別名 おおいぬ座α星B 視等級(V) 8.44 分類 白色矮星 軌道の種類 シリウスAの周回軌道 位置
元期:J2000.0赤経(RA, α) 06h 45m 09.0s 赤緯(Dec, δ) -16° 43′ 06″ 固有運動(μ) 赤経: -547 ミリ秒/年
赤緯: -1207 ミリ秒/年年周視差(π) 379.21 ミリ秒 絶対等級(MV) 11.334 物理的性質 半径 0.0084 ± 3% R☉ 質量 0.978 M☉ 表面重力 8.57 (log g) スペクトル分類 DA1.9 光度 0.056 L☉ 表面温度 25,200 K 色指数 (B-V) -0.03 色指数 (U-B) -1.04 軌道要素と性質 軌道長半径(a) 7.50 ± 0.04″ 離心率(e) 0.5923 ± 0.0019 公転周期(P) 50.09 ± 0.055 年 軌道傾斜角(i) 136.53 ± 0.43° 近点引数(ω) 147.27 ± 0.54° 昇交点黄経(Ω) 44.57 ± 0.44° 前回近点通過 1894.13 ± 0.015 別名称 別名称 ■Template (■ノート ■解説) ■Project シリウス(Sirius)は、おおいぬ座で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つで、太陽を除けば地球上から見える最も明るい恒星である。視等級は-1.46等で、シリウスに次いで明るいカノープスのほぼ2倍の明るさである。バイエル符号における名称は「おおいぬ座α星」である。オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンともに、冬の大三角を形成している。冬のダイヤモンドを形成する恒星の1つでもある。肉眼では1つの恒星に見えるが、実際には、シリウスAと呼ばれるA型主系列星と、シリウスBと呼ばれる白色矮星から成る連星である。シリウスBのシリウスAからの距離は8.2~31.5auの間で変化する。
シリウスは近距離にあるうえ、自身の光度も大きいため、肉眼でも明るく見える。ヒッパルコス衛星の観測によって得られた年周視差の値に基づくと、地球との距離は約8.6光年(約2.6パーセク)となる。その距離から、地球に近い恒星の一つである。シリウスは、太陽系に接近しているので、今後6万年の間に、わずかに明るさが増す。それ以降は、太陽系から離れていき、明るさは暗くなっていくが、少なくとも今後21万年間は、全天で最も明るい恒星でありつづけるとされている。
主星のシリウスAは、太陽の約2倍の質量を持ち、絶対等級は1.42等である。光度は太陽の約25倍にもなるが、カノープスやリゲルなどと比べると小さい。年齢は2億年から3億年ほどと推定されている。かつてシリウスは明るい2つの恒星から成る連星系だったが、より質量が大きいシリウスBが先に寿命を迎え、1億2000万年前には赤色巨星になった。その後、外層を失い、現在の白色矮星になったとされている。
シリウスはまた、おおいぬ座にあることから、Dog Starとも呼ばれている。なお、古代エジプトでは、ナイル川の氾濫時期を知らせてくれる星として、非常に重要な働きをしていた(エジプト神話・ナイル川およびソプデトも参照)。また、南半球のポリネシア人は太平洋上の航海において、冬の到来を示す重要な役目を果たした。
観察の歴史
古代エジプトでは、シリウスは豊穣の女神ソプデト(古代ギリシア語: Σῶθις、Sothis)として知られていた。シリウスは最も初期の天文記録にも記録されている。エジプト中王国時代、エジプト人はシリウスのヒライアカル・ライジングを基にEgyptian calenderを作り上げた。シリウスがヒライアカル・ライジングを起こす約70日後 に、夏至とナイル川の氾濫が起きるため、とても重視されていた。
エジプトのアレクサンドリアにいたトレミーは、著書アルマゲストの7巻と8巻に星表を記している。プトレマイオスは、地球の中心子午線の場所としてシリウスを使用した。しかし、奇妙な事に、プトレマイオスは青白く輝くシリウスを「赤く」輝く6つの恒星の1つとしている(以下の色に関する論争を参照)。他の5つの恒星はアークトゥルスやベテルギウスのようなスペクトル型がM型からK型の赤色巨星を指している。
名称と文化的意義
「シリウス(おおいぬ座)の方言」も参照バイエル符号における名称はα Canis Majoris、略称はα CMa。シリウスは、ギリシャ語で「焼き焦がすもの」「光り輝くもの」を意味する「セイリオス(Σείριος, Seirios)」に由来するが、ギリシャ語自体が、古代以前に他の場所から伝来した可能性がある。古代エジプトの神オシリスとの関連も示唆されている。シリウスの名称は紀元前7世紀頃の詩人ヘーシオドスの仕事と日にて初めて記録されている。2016年、国際天文学連合(IAU)は、恒星の固有名に関するワーキンググループ(Working Group on Star Names, WGSN)を組織した。2016年6月30日にワーキンググループは、Sirius をおおいぬ座α星Aの固有名として公式に承認した。
和名は大星(おおぼし)や青星(あおぼし)、英語では別名Dog Star、中国語では天狼(星)(Tiānláng (xing)) と呼ばれる。
おおいぬ座
- シリウス
- オボシ(青森・岩手)、ミツボシノアトボシ(広島・兵庫)、カラツキノオムシ(福井)、カナツキノオウボシ(カラスキの尾星の意。京都)、ムヅラノアトボシ(岩手)、アトボシ(島根)
- アオボシ(北海道・石川・青森)、アトボシ(北海道)、風星 カゼボシ(石川)、烏賊引き星イカビキボシ(兵庫)、大星オオボシ(広島・香川・高知・三重)、エヌグボシ(岐阜)、雪星(埼玉)
- 南のイロシロ(島根)
- 天の主テンヌアーヂ・天の主前テンヌアーヂマイ(八重山)、タツァーキブシ(立上げ星の意。八重山)
- δ星 - ε星 - η星
- 三角サンカク(宮城)、ミボシ・サンカク(静岡)、サンカクボシ(岩手・山形・奈良)、ウロコノホシ(新島)、鞍掛けクラカケ(静岡)、倉端クラハシ(静岡)、倉の棟クラノムネ(高知)、納豆箱ナットウバコ(静岡)
『日本の星』197・248~256・269~270頁、『星座手帖』218~219頁
ソプデト
ソプデト(Sopdet)あるいはセペデト(Sepedet)は、古代エジプトの豊穣の女神で、「尖ったもの」「鋭いもの」を意味する。シリウス星が神格化されたもので、古ラテン語でソティス(Sothis、「水の上の星」の意味)とも呼ばれる。ソプデト=ソティスを表す聖獣は(雌)犬(古くは牝牛)。ソプデトはイシスの化身とされる。シリウス星は「ナイルの星」、「イシスの星」として崇められた。シリウス星はヘブライ語では「シホール」(Sihor)と呼ばれた。ヒエログリフではソプデトを「△」(三角形)で表す。
概要
エジプトにおけるシリウス信仰の歴史は古く、エジプト第1王朝の時代には既に確認されている。
シリウス星は夏の代名詞であり、太陽が昇る直前に東の地平線上にシリウス星が現れる(ヒライアカル・ライジング)時期(7月後半頃。エジプト暦(ソティス暦)の元旦)になると、ナイル川が年に一度の洪水を起こし始め、エジプトの大地に水の恵みをもたらす。そのため、洪水の時期を知らせるシリウス星であるソプデトは、肥沃の神としても崇拝された。
シリウス星の出てくる方向に建てられた女神イシスの神殿では、ヒライアカル・ライジング(「heliacal」は「太陽の」「太陽に近い」「太陽と同じ頃に出る(沈む)」という意味)の朝は、太陽(太陽神ラー)とシリウス星(女神ソプデト=イシス)の光が地平線上で交じり合いながら神殿内に差し込んだと言われている。
シリウス星は「明けの明星」「啓明星」さらには「太陽を呼ぶ星」「大きい方の太陽」と呼ばれた。
ソプデトの夫は「サフ」で、息子は「ソペド」(ソプドゥフ)。ソプデトはイシスの化身とされたので、サフはイシスの夫「オシリス」、ソペド(ソプドゥフ)はイシスの息子「ホルス」と対応関係にあるとされた。オリオン座(の三連星から南半分)はエジプトでは「サフ」=「オシリス」を表した。ソプデトはオシリスとの間に「明けの明星」を儲けたともされる。ピラミッド・テキストでは、ソプデトはラーの妹で、「明けの明星」はラーの子とされる。
Rats GOD 九鼠猫(子子)で神ヾ(╹◡╹o)ノ